美容に関心のある方は、「バリア機能」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
うるおいのある健康的な肌を作るために重要な「バリア機能」ですが、この「バリア機能」の仕組み役割を知ることは、今のスキンケアを見直すきっかけになるかもしれません。
今回はそんな「バリア機能」についてご紹介します。
バリア機能とは?
人間の体の表面を覆っている皮膚は、紫外線や乾燥、雑菌、ほこりなどの外部刺激から体を守ってくれます。
また、皮膚には肌の水分が必要以上に蒸散するのを防ぐ役目もあります。
これらは肌がすこやかな状態を守るための「バリア機能」のおかげなのです。
下記は正常なバリア機能と乱れたバリア機能のイメージ図です。
皮膚は、肌の表面から表皮、真皮、皮下組織と言った3つの層になっています。
このバリア機能で特に重要になるのは、肌の表面の「表皮」の部分で、一番、肌の表面にある「角質層」が特に重要になります。
表皮の部分のさらに表面には、「角質層」という層があり、薄さは0.02mmでサランラップと同じぐらいに薄いです。
しかし、角質層の表面がシッカリとしていれば、外からの刺激を跳ね返して、肌荒れや肌の乾燥などを防ぐことが出来ます。
「角質層」は、角質細胞と角質間脂質で出来ています。
この角質間脂質には、セラミドなどの保湿成分があり、角質細胞と角質細胞をしっかりと繋ぎ止めています。
この角質細胞と角質間脂質の働きによって、肌内部の水分が蒸発しないように、保湿をし、肌の乾燥を防ぎます。
また外的刺激を跳ね返し、さらには水や異物などが肌の内部に入らないように防いでいる。これが「バリア機能」です。
バリア機能が正しく働くには?
バリア機能は、肌のうるおいが保たれている状態で機能します。
肌のうるおいは「3大保湿因子」によって維持されています。
3大保湿因子とは?
肌の一番外側を覆って水分の蒸発を防ぐ「皮脂膜」
角質細胞内にあって水分を保持する「天然保湿因子(NMF)」
角質層の細胞と細胞のすき間を埋めて水分の蒸発を防ぐ「角質細胞間脂質(セラミド)」
この3つがバランスよく整っていると、バリア機能が正しく働き、うるおいのある肌を作ることができます。
バリア機能が弱まるとどうなるのか?
皮膚のバリア機能が弱まると、肌の表面が荒れて、外からの異物が皮膚内部に入りやすくなります。
さらに、角質層にあるセラミドなどの保湿成分が少なくなることから、肌内部にある水分が蒸発して肌が乾燥するようになります。
セラミドは、肌の水分を保持する保湿成分ですが、その他の役割としては、角質層の角質細胞をしっかりと繋ぎ止めて、グラつかないようにする働きがあります。
しかし、加齢や肌荒れ、肌トラブルなどが原因で、セラミドなどの保湿成分が減少すると、角質細胞が剥がれ落ちやすくなります。
角質細胞が剥がれ落ちると隙間が出来て、外からの刺激が、肌内部に入りやすくなり、さらに、角質細胞が剥がれる悪循環を起こす可能性があります。
バリア機能が弱まるということは先述したように、肌のうるおいが足りないということでしたが、このうるおい、水分不足はターンオーバーを乱すのです。
ターンオーバーとは肌の新陳代謝、肌の生まれ変わりのサイクルをターンオーバーといいます。
肌バリア機能が低下することにより、水分が不足するとターンオーバーのサイクルが乱れます。
この状態では、皮膚の防衛機能により角質層を厚くしようとするので、肌の色がくすみます。
また、皮膚に溜まったメラニンが排出されずシミが残ってしまう場合もあります。
バリア機能が低下する原因とは?
【バリア機能が低下する原因】
・過剰な洗顔・クレンジング
・摩擦(ゴシゴシと顔を擦っていたり)
・アレルギーを起こしている
・日々のストレス
・食生活の乱れ
・季節の変わり目
・生理前
などがバリア機能が低下する原因だと言われています。
バリア機能を意識したセラミド
バリア機能を発揮するためには、正しい保湿ケアができていれば問題ありません。
化粧品によるスキンケアで押さえておきたいのが「角質細胞間脂質(セラミド)」です。
セラミドとは水分が肌から逃げないように保ってくれたり、外部の刺激から肌を守ってくれたりします。
加齢とともに減少するため、角質層のバリア機能をサポートするためにも、セラミド配合の化粧品を選び、補うとよいでしょう。
肌バリアを高めるスキンケアを行い、うるおいのある肌をキープしましょう。
バリア機能は、肌の乾燥を防ぐだけではなく、紫外線やほこり、雑菌などの外部の刺激から体を守り、うるおいのある健やかな肌を維持するのに大切な役割を果たしています。
肌の保湿ケアをしっかり行って、バリア機能をサポートしてあげましょう。
セラミドについては是非こちらの記事もご覧下さい!
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