美容に詳しい方なら、一度は聞いたことがある「ラメラ構造」
「ラメラ構造」が乱れると乾燥、シミ、シワ、ニキビなどの様々な肌トラブルを起こしやすくなってしまいます。
今回は「ラメラ構造」についてご紹介します。
まずは肌の構造について
人の肌(皮膚)は表皮・真皮・皮下組織の3層からなっています。
この表皮は内側から基底層(きていそう)・有棘層(ゆうりゅうそう)・顆粒層(かりゅうそう)・角質層(かくしつそう)の4層構造となります。
表皮の表面にある、表皮細胞の死んだもの(角質細胞)でできているのが角質層です。
厚さは0.02mm~0.03mmといわれており、角質細胞がレンガ状につみ重なり、死んだ細胞(角質細胞)のケラチン繊維が角質層の骨格になり、その間をセラミドや天然保湿因子NMFが接着剤のように隙間を埋めてぷるぷるの角質層をつくられています。
この角質層は外部の刺激から守り、体内の水分が蒸発しないよう保湿するバリア機能の働きがあります。
ラメラ構造とは?
ラメラ構造(ラメラストラクチャー)の「ラメラ」とは、「層状」という意味です。
最近ではこのラメラ構造に着目したボディソープや化粧品など見かけるようになりましたね。
肌の外側にある角質層は、角層細胞がレンガのように何層にも積み重なり、細胞間脂質がその隙間をモルタルのように埋めた構造になっています。
この角質層にある細胞間脂質を角質細胞間脂質といいます。
表皮の角質層にある油分で、セラミドが約50%、その他はコレステロール、遊離脂肪酸などの油分でできおり、外からの異物の浸入を防ぎ、体内の水分が蒸発するのを防ぐバリア機能としての働きをしています。
ラメラ構造とは、表皮の角質層にあるセラミドなどからなる脂質の層と水分の層が交互にきれいな層状に並んでいる細胞間脂質の状態のことをいいます。
このように、細胞間脂質はセラミドをはじめとした数種の脂で「水-脂質-水-脂質-水…」と規則正しくサンドイッチのような薄い層状あるいは板状のミルフィーユ構造をつくっています。
ラメラ構造の油層には角質細胞間脂質が、水層には水分とともにアミノ酸、尿素、乳酸などからなる天然保湿因子(NMF)が配置されているのです。
このラメラ構造によって、わずか0.02mmの角質層は、10層程度の層状の構造ができているのです。
ラメラ構造が整うと、肌は透明感やなめらかさといった本来の美しさを取り戻すといわれています。
ラメラ構造は、素晴らしい機能を備え、私達の身体を守ってくれている強いはずのバリア層(角質層)ですが、物理的な刺激、熱、過剰な水分、身体の健康状態などで簡単に崩れてしまいます。
↓ ↓ ↓ こちらは乱れたラメラ構造のイメージ図です!
バリア機能とターンオーバーとの関係
実は、お肌の健やかさをキープする上で大切なバリア機能やターンオーバーは、角質細胞間脂質ととても深い関係にあります。
お肌の潤い、つまり保湿の状態は、お肌のバリア機能によって保たれています。
バリア機能は、皮脂膜、角質細胞内あるいは角質細胞間にある天然保湿因子(NMF)、そして角質細胞間脂質の3つのはたらきで成り立っています。
角質細胞間脂質は、ラメラ構造を形成することで、バリア機能を強固なものにしています。
しかし、このラメラ構造も外部刺激や内的な要因で崩れてしまいます。
ラメラ構造が乱れてしまうと、バリア機能も低下してしまいます。
また、バリア機能と並んでお肌にとって大切なのは表皮の新陳代謝であるターンオーバーです。
表皮は、だいたい顔では0.1ミリほどの厚さで、約28日間かけてターンオーバー(肌の生まれ変わり)をしています。
つまりバリア機能とターンオーバーがともに正常であれば、
・ツヤのあるお肌
・透明感のあるお肌
・キメの整ったお肌
・潤いのあるお肌
・ハリのあるお肌
を手に入れることができます。
角質細胞間脂質やラメラ構造を守る
スキンケアの大きな目的は、保湿によって潤いのあるお肌をキープすることですが、そのために大切なことの1つがバリア機能を正常な状態に保つことです。
そして、そのためには角質細胞間脂質やラメラ構造を守ることが重要になります。
保湿
角質細胞間脂質やラメラ構造を守るスキンケアやエイジングケアの基本は、保湿です。
日々のスキンケアやエイジングケアでしっかりと保湿を行うことができれば、角質細胞間脂質を守り、バリア機能を正常にはたらかせることができます。
セラミド
先述したとおり、角質細胞間脂質の50%はセラミドです。
セラミドは人が持つ保湿成分の1つですが、今や化粧品成分としても多くの種類があり、その中のオススメは人のセラミドと同じ構造を持つヒト型セラミドです。
年齢とともに減少するお肌のセラミドを補完するはたらきで角質細胞間脂質やラメラ構造をサポートします。
もちろん、セラミドだけでなく、水分を保持する成分であるアミノ酸誘導体、グリセリン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン、コラーゲン、エラスチンなどの保湿成分も組み合わせるといいでしょう。
さまざまな保湿成分のはたらきを理解して、角質細胞間脂質やラメラ構造を守るスキンケアを実践しましょう。
最後に
毎日肌のお手入れをきちんとしていても、成分の役割や肌のメカニズムを理解してスキンケアをしている人はあまり多くはないのです。
肌のメカニズムについて知る事で、あなたのスキンケアのお役に立てれば幸いです。
バリア機能については是非こちらの記事もご覧下さい!
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